法人税と消費税の中間申告

法人の中間申告・中間納付はいつ必要?法人税と消費税を分けて確認

公開:2026年10月21日 / 執筆:岡田健志(公認会計士・税理士)

「決算後の税金は用意していたのに、期中にも納付書が届いた」。法人では、前期の税額などに応じて、決算を待たずに中間申告・中間納付が必要になることがあります。

最初に見るのは今月の利益ではなく、前期の申告書と当期の事業年度・課税期間です。法人税と消費税は判定に使う税額も回数も異なります。ここでは事業年度・消費税の課税期間がともに12か月の一般的な法人を中心に、確認順を整理します。短期事業年度、組織再編、消費税の課税期間の特例、申告期限の延長などがある場合は個別に確認してください。

まず法人税と消費税を別々に判定する

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税目最初に確認するもの基本的な中間申告の目安
法人税前事業年度の確定申告書の法人税額、前期・当期の月数前期実績による中間分の法人税額が10万円を超える場合に確認
消費税・地方消費税直前の課税期間の確定消費税額(国税分)、課税期間国税分の確定消費税額が48万円を超える場合に確認

法人税の予定申告額は、原則として「中間申告対象期間の末日までに確定した前期の法人税額 ÷ 前期の月数 × 中間期間の月数」で計算します。事業年度が12か月なら、通常は前期法人税額の半分が目安ですが、前期の納付残額をそのまま半分にする計算ではありません。この算式による額が10万円以下またはゼロなら、原則として法人税の中間申告は不要です。国税庁「法人税のあらましと申告の手引」16頁

消費税は、地方消費税を含めない国税分の確定消費税額で判定します。直前の課税期間の確定消費税額が48万円超400万円以下なら年1回、400万円超4,800万円以下なら年3回、4,800万円超なら年11回の中間申告が原則です。納付時には地方消費税分も併せて確認します。48万円以下でも任意の中間申告制度を利用する場合があります。国税庁「中間申告の方法」

法人住民税・法人事業税などの地方税についても、中間申告の要否と納付先を別途確認します。法人税が不要ならすべての中間納付が不要と決めつけず、前期の地方税申告書、事務所等の所在地、自治体からの案内を並べてください。

また、2026年4月1日以後に開始する事業年度からは、防衛特別法人税の確定申告も始まっています。ただし、その中間申告は、法人税の中間申告書を提出すべき法人について、2027年4月1日以後に開始する事業年度からです。2026年4月開始の期の中間納付予定へ機械的に加えないでください。e-Tax「防衛特別法人税の創設に関するご案内」

いつまでに申告・納付する?

法人税は、事業年度開始から6か月を経過した後、原則として2か月以内に中間申告・納付します。例えば、2026年4月1日から2027年3月31日までを事業年度とする法人なら、中間の対象期間は2026年4月1日から9月30日、通常の提出・納付期限は2026年11月30日です。これは通常の12か月事業年度の例で、個別の期限は休日や期限延長の有無も含めて確認します。国税庁「法人税の申告」

消費税も、年1回・年3回の中間申告は原則として各対象期間の末日の翌日から2か月以内です。年11回の場合や申告期限延長の特例がある法人は期限の扱いが異なります。前期の消費税申告書に記載された国税分の税額と当期の課税期間から、税目ごとにカレンダーへ登録します。国税庁「中間申告の方法」

申告書や納付書が手元に届くのを待つだけでは期限管理はできません。電子申告・電子納税の利用状況も確認し、担当者、提出日、納付日、納付口座を一つの一覧に残します。

今期の利益が減ったら、中間納付も自動で減る?

自動では減りません。法人税には、前期実績による予定申告のほか、当期前半の6か月について決算をして税額を計算する仮決算に基づく中間申告があります。仮決算には申告期限があり、選べない場合もあります。今期の業績が変わったからといって、入金・支払の概算だけで中間税額を差し替えることはできません。国税庁「法人税のあらましと申告の手引」16頁

消費税も、対象期間の仮決算に基づいて申告・納付する方法があります。ただし、仮決算でマイナスになっても中間申告の段階では還付を受けられません。期限までに申告しない場合は、前期実績による申告があったものとみなされ、期限後に仮決算へ切り替えることはできません。簡易課税の適用状況や必要な明細も確認します。国税庁「中間申告の方法」

仮決算は、数字を集めて申告書を作成する追加作業を伴います。前期実績による金額との差、作業に必要な資料と時間、決算時の精算見込みを税理士と早めに比較してください。

納付予定を資金繰りにどう入れる?

中間税額は、当期の最終税額とは区別して管理します。中間申告による税額は、当期の確定申告で控除・精算されます。したがって、中間納付の予定と決算後の納付見込みを、同じ税額として二重に足さないことが大切です。消費税の確定申告では、中間納付税額が控除され、控除しきれない場合は還付の対象になります。国税庁「中間申告の方法」

資金予定表には次の列を設けると確認しやすくなります。

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列記入する内容
税目・納付先法人税、消費税・地方消費税、法人住民税、法人事業税など
対象期間・期限中間対象期間、提出期限、納付期限
税額の状態前期実績による見込額、仮決算額、申告済額を区別
根拠・担当参照した申告書、確認日、確認担当者
資金予定引落口座、納付方法、納付日の口座残高見込み

支払日ごとの残高を見る方法は資金繰り表の作り方で説明しています。決算後の申告・納付全体の流れは法人の決算後にやることをご覧ください。

よくある質問

前期が赤字なら中間申告はすべて不要ですか?

前期の赤字だけでは決まりません。法人税は前期の確定法人税額を使う算式、消費税は直前の課税期間の国税分の確定消費税額で判定します。地方税も別に確認します。赤字でもかかる税金の記事も参考にしてください。

仮決算をすれば、決算期の確定申告は不要ですか?

不要にはなりません。仮決算は中間申告の計算方法です。事業年度が終わった後の確定決算と確定申告は別に行い、中間申告分を精算します。

中間申告を忘れれば、中間納付もしなくてよくなりますか?

いいえ。法人税も消費税も、必要な中間申告を期限までに提出しない場合、前期実績による申告があったものとみなされる仕組みがあります。納付漏れは別に生じるため、期限に気付いた時点で税目と状況を確認してください。国税庁「法人税のあらましと申告の手引」16頁/国税庁「中間申告の方法」

中間納付の見込みを、決算の前から確認する

前期の申告書一式、当期の事業年度・課税期間、届出状況、現在の試算表、今後の入出金予定をそろえると、中間申告の要否と納付資金を整理できます。仮決算を検討する場合は、月次経理がどこまで終わっているかも確認します。

岡田健志公認会計士・税理士事務所では、月次の経理状況と税額・資金の見通しを確認し、決算申告までの支援をご案内します。相談時は、決算月、使用中の会計ソフト、前期の申告書の有無、中間納付で気になっている税目をお知らせください。対応範囲と料金は着手前にご案内します。

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執筆:岡田健志(公認会計士・税理士)。制度確認日:2026年10月20日。本文は一般的な中小法人・12か月事業年度を中心とする説明です。

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